張り扇・・・はりせん

ハリセン、ハリオオギと言う。天保期の百科辞典ともいうべき守貞謾稿の講繹の項に「一人分銭四十八文。講師未熟ノ者ハ三十六文・・・・前二見台ヲ置く。見台モ槻ノ楓ノ形也。皮包ノ扇ヲ以テ拍之テ溝ス。」とある。東京の張り扇は、和紙で出来ているが、上方の溝談は今もって皮革で包んだ張り扇を使っている。上方落語も同様の張り扇をネタによって使用。邦楽の拍子取り用の張り扇の転用であろうか。いつ頃、東京の講釈は和紙の張り扇に変わったのか、不明。