講談の演目について

歌舞伎にも「時代物」「世話物」「散切物」と言った区別があるように、講談にも色々な演目があり、それぞれ区別されています。
講談は、大きく三つに区別されています。「軍談」「御記録物」「世話物」の三つです。「軍談」はもちろん、合戦の話です。「太閤記」「三方ヶ原戦記」「太平記」等です。「御記録物」は、将軍家や大名に伝わる記録、伝記を読むのです。昔の講釈師は、「俺は天下の御記録読みだ。」と威張っていました。御記録物の変化形が「御家騒動物」と呼び、「赤穂義士伝」「慶安太平記」「伊達評定」等があります。
世話物も「生世話」「準世話」と二大別しますが、もっと細かく分類しています。「白浪物」、これは「石川五右衛門」や「鼠小僧」のような、泥棒物のお話です。「怪談物」、ヒュードロドロと幽霊が登場します。代表は「四ツ谷怪談」でしょう。「名人譚」「出世譚」、このあたりは世話物の王道です。「左甚五郎」「紀之国屋文左衛門」等があげられます。「侠客物」、これはやくざの話です。「清水次郎長」「木津勘助」なんかがよく演じられます。「武芸物」、これは剣豪を扱った話で、「宮本武藏」「荒木又右衛門」等、試合に連戦連勝、負け知らずの剣豪が主人公です。「お裁き物」、有名なのが「大岡越前守」「水戸黄門漫遊記」。TVの長寿番組も、元は講談種なのです。
しかし実際は「白浪物」と「侠客伝」あるいは「お裁き物」と「怪談物」など、区別のしにくい演目もあります。又、探偵講談のような、明治に入って出来たジャンルもあります。